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九州国立博物館ガイド vol.3
特別展「日本のやきものー選び抜かれた名宝一二〇点ー」
第1回 〜やきものを楽しむ〜
■プロフィール 九州国立博物館 研究員
遠藤 啓介(えんどうけいすけ)
大学時代に発掘調査中、陶磁器に出会い、中国の焼き物を専門とするが、日本、東南アジアなどの東洋全般の陶磁史について見聞を広げている。 |
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7月7日(土曜日)から8月26日(日曜日)まで九州国立博物館では「日本のやきものー選び抜かれた名宝一二〇点−」を開催します。この展覧会は、毎年、文化庁が海外で行っている日本美術の紹介の一環としてポルトガルのソアーレス・ドス・レイス美術館で日本のやきものに関する展覧会を行うことを記念して行うもので、縄文時代から近現代までのやきものの名宝が集まり、日本のやきものの歴史や美についてたのしく観覧できるものとなっています。本稿では、第1回目でやきものの楽しみ方を、第2回目で陶磁器の国際交流を紹介したいと思います。
やきものを楽しむというと難しいイメージがあるのでしょうか?展覧会などで話を聞くと、やきものは難しいという声を聞くこともあります。しかし、日本人は他の国や民族に比べても、やきものを楽しむということに関して、古くから自由自在に楽しんできました。例えば、私たちの食卓を見てください。そこには、湯飲みやお茶碗、小鉢、細長い皿、丸い皿、徳利、猪口などがあり、陶器や磁器が自在に組み合わされているはずです。桃山や江戸時代の茶の湯の世界に目を移せば、そこには茶碗は言うに及ばず、水指、花生けなどがあり、そこには日本だけではなく、朝鮮、中国、東南アジアなどのやきものがあります。このように今も昔も日本人はやきものを選んだり、組み合わせたりすることに一種の才能をもっていましたし、そしてその遺伝子は皆さんに伝わっているはずです。
とはいっても、やはりどこを見て良いのか分からないという人のためにいくつかのポイントを説明しましょう。挿図1の鉄釉巴文瓶子(瀬戸・14世紀・文化庁蔵)を見てください。 まずは、形を楽しみましょう。口が小さく、肩が張り、裾がすぼまって、全体的にすらりとした形が印象的な美しさです。これは中国の景徳鎮で作った磁器を模倣した形で当時、東アジアで大変流行したものです。次に、釉の色を楽しみましょう。この釉は鉄を材料にしたもので黒褐色をしており、この釉の溜まった部分と流れた部分の濃淡が際立つ美しい釉の色となってます。最後に文様を楽しみましょう。この文様は巴文といい、当時の焼き物に多く描かれているものです。やきものの表面にいくつも巴文がスタンプで押されており、川の流れのように流れているさまが心地よいリズムを刻んでいるのです。 このようにいくつかのポイントを説明しましたが、これがきまりというわけではありませんので、皆さんが自由に展示室で好きなやきものを見つけていただければと思っております。
九州国立博物館 特別展『日本のやきもの‐選び抜かれた名宝120点‐』
■会期/平成19年7月7日(土)〜8月26日(日)
■休館日/月曜休館(月曜日が祝祭日の場合は開館、翌日休館)※ただし、7月9日(月)、8月13日(月)は開館)
■会場/九州国立博物館 3階 特別展示室
(〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2)
■開館時間/午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)ただし、土 ・日 ・祝日は午後6時まで開館(入館は午後5時30分まで)
■観覧料/一般 1,200円、高大生 800円、中小生 400円 |
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