私を変えた言葉
Vol.15 臨終正念
?毎日が感動、感謝?
25歳のときに初めての店「DINER’S ONO」をオープンさせました。鶏の創作料理はおいしいし、ワインも充実している。これは間違いなくヒットすると思っていました。ところが、1年たっても店の業績は悪くなる一方で、自分に余裕がなくなり、スタッフはどんどん離れていきました。それでも僕は店を続けていかなければいけない。だったら、来てくれたお客様には何だってしよう、とにかく楽しんでもらおう。それからです。だんだんお客様が増え始め、いっきに勢いがつきました。ちょうど、3号店のラーメン屋「麺や おの」がオープンしたとき、突然、病気で倒れました。これが、第二の人生の転機です。病気が心臓病とわかり、その日から、自分の残りの人生をどうやって生きていこうかと考えるようになりました。そのとき、飲食をやりたい、命をかけてやりたいと本気で思えたんです。
僕は病気で倒れた6月9日を一番の記念日にしています。これが第二の僕の誕生日なんですね。「人っていいよね」っていうのを、飲食を通じてみんなに伝えていきたい。同士が増えていけばいくほど、店が増えていく。ただ、シンプルにそれだけです。この病気がなかったら、今の僕は存在していません。今も心臓病を抱えていますが、この心臓は、僕にとっては友達のようなものです。生きることは、感動の毎日なんだということを、みんなに伝えたい。そのためにはまず、ONOグループのスタッフ全員が、ドキドキワクワクしながら働いて、お客様を喜ばせ、感動を与えられるようにならなければと思います。
| 小野 孝(Ono Satoshi) 有限会社ディ・ディーカンパニー代表取締役。奈良県の高校を卒業と同時に大阪「吉兆」で修業。その後、福岡の懐石料理「季賜家」、「ハイアットリージェンシー」などで修業し、25歳のときにONOグループ1号店となる「DINER’S ONO」を開店。現在は舞鶴を中心に郊外店を含め17店舗を経営。1972年、奈良県生まれ。 http://ono-group.com |
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