おとなごころ
Vol.3 ダイレクトリール
自然に向かう策士の相棒は魅惑の逸品。

今や老若男女が愉しむ釣り。より快適に手軽にと、その世界も近代化が進んでいるらしい。だがあえて、手間がかかる「にくいやつ」を使う愉しみがある。魚の動きだけでなく、自分の腕前もダイレクトに伝わる「ダイレクトリール」がそれだ。近代化されたリールにはないじゃじゃ馬さが憎らしいほど、上手く使いこなそうと夢中になる。さらなる極みがオールドリール。60?70年前に製造され、今や生産されていない希少なものだが、愛用者はそれに刻まれた歴史に想いを馳せ、使う愉しみを知り、重ねる傷や磨り減りも、共に策打つ相棒との戦利品と笑う。
自然を相手に策を凝らし、無心に過ごしつつ、手ごたえを感じる瞬間に走る緊張?。そんなオンとオフを併せ持つ釣り舞台を、さらに深く魅惑的な世界にするのがダイレクトリールの極みなのだ。
「イケナイモノ」を知ってしまった?。知れば知るほど、休日、水辺でリールに翻弄されつつ、笑い転げる自分の姿が頭に浮かぶ…。
そんなことを想いながら、今夜もお気に入りの一杯を片手に、真空管に薄ぼんやりとした灯をともす。
取材協力/HYSTERICAL BITES MAKER
文 音無ひびき
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