おとなごころ
Vol.9 鉛筆削り(ナイフ)
ナイフで削った鉛筆の、歪な形に何を想う。

「鉛筆をナイフで削りたい」そんな衝動に駆られたのは、先日行なわれた小学校の同窓会でのことだった。たくさんの昔話のなかで、一際盛り上がったのが、”鉛筆削りブーム“の話。小生の小学校時代は、手動の鉛筆削りが各教室に設置されていたのだが、担任の教師が美大出身だったこともあり、”ナイフ“を使って鉛筆を削ることが流行ったことがあったのだ。シュッ、シュッと木を削るあの感触が何とも言えぬ心地よさで、つい削り過ぎてしまうことも多かった??あの感覚をもう一度。
というわけで、鉛筆削りに適したナイフを探してみたところ、可愛らしいナイフに出逢った。マッコウクジラの形をしたそのナイフは、「子供に鉛筆を削らせたいので、先の尖ってないナイフを作って欲しい」という親御さんからの依頼を受けた、土佐の鍛冶職人山下哲が創り出した傑作である。
最近はナイフを「危ないもの」と決め付け、「便利なもの」であることを知らない”もったいない“子供が多いらしい…なんてことを考えながら鉛筆を削っていると、先端は″歪″に尖っていた。それが無性にかっこ良く感じた。

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