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日々雅楽に向き合う心の姿勢「福岡と雅楽」
先日、奈良・京都・滋賀へ一人旅をしてきました。 雅楽器店を営む社長さんには、雅楽器の価格破壊を目指す意気込みを聞かせて頂きました。なんと御歳70歳の社長。「これまで様々失敗をしてきたけれど、失敗ではない、「つまずき」なんだ」という言葉に感銘。これまで100万円以上していた雅楽の太鼓を10万円で作るのだというから、業界に大激震が走りますよ〜。 大学時代の恩師ともお会いし、9月に行なわれる中国西安での雅楽演奏会に同行させていただけることになりました。天皇のご即位の時にしか見ることのできない「太平楽」を演舞するとのこと。私も学生時代にヨーロッパで舞人として出演させていただきました。ドイツやフランスでの公演では、お客さんが食い入るように見てくださいました。神様に捧げる神曲として真剣に対峙して下さったのです。学生達も同様の感動を味わってくれるでしょうか。コンサートではゴダイゴのタケカワユキヒデさんも共演されるとのこと。楽しみです。 京都には祇園に宿をとりました。「祇園コーナー」という花柳界の皆さんを中心とした劇場があり、そこでは文楽や茶道、華道、狂言や雅楽、地唄舞など1時間のショーを楽しむことができます。お客さんは外国人の方や修学旅行生など。さすがは京都。このような劇場を作るとは驚きました。 雅楽の演目は、舞楽「陵王」です。味方の士気が上がらず困っていた中国の王様が、龍のお面をつけて戦に臨んだところそれからの戦は大勝したという故事にちなんだ舞です。ほぼ連日、そのような舞台をできるなんて京都の伝統の奥深さを感じる次第です。 遣唐使の時代、博多港は遣唐使の最多航路でした。有名な「黒田節」は、雅楽の越殿楽(えてんらく)という曲が、室町時代に越殿楽に歌詞をつけた「越殿楽今様」という流行り歌となり、のちに黒田節という民謡になりました。 現在、福岡には筑紫楽所さんや鎮西楽所さんなどのお坊さんを中心とした雅楽会や、香椎宮さんや箱崎宮さん、高良大社さんなどの神社系の雅楽会、天理教さん主体の博雅会がメインです。檀家さんや、氏子さんや信者さんだけでなく、一般からも受け入れられているのでお近くの方はお問合せ下さい。 私が代表をしている大宰府連雅会は、全国的にも極めて珍しい宗教を背景としない雅楽会です。法人でも財団でもなく、あくまでも僕と雅楽をしてみたい人を対象にしています。変なしがらみが大嫌いで、お互いに好きじゃないと良い演奏はできませんからね。 私が学生時代に味わった、雅楽を通しての国際交流を行なえることが一番の目標です。 福岡には、古代の迎賓館であった鴻臚館後や、九州の政治の中心であった大宰府政庁跡や東大寺とつながりの深い太宰府の観世音寺など、雅楽が演舞されていたと記録のある史跡やお寺があります。今は全く面影がなく寂しい限りですが、「私が太宰府に生を受けたこと=福岡・太宰府での雅楽の復興」だという強い使命感をもって日々お稽古に邁進しています。 残念ながら、菅原道真公が雅楽器を嗜んでいらっしゃったという記録はありませんが、催馬楽などで笏を2つに割って打ち鳴らす「笏拍子」という拍子木を嗜んでいらっしゃたそうです。目を閉じると和歌を詠みながら、拍子をとる様が浮かんできませんか? 大宰府連雅会で、雅楽をされている方は9割が女性です。そしてそのほとんどが他府県からの転入者です。もともと太宰府の方はほとんどいらっしゃいません。地元の方は意外に関心無いもんです(笑)。本当はそうであってはならないのでしょうけれど。雅楽に関心を持っていらっしゃる方は、太宰府の方以上に太宰府らしい方、と言い換えても良いのかもしれません。 私のように、15歳から奈良に移り、雅楽に触れることができた事は本当にありがたいことです。ホームシックはあったものの、自立できましたし、道を見つけることができました。両親に感謝です。 その様な方がたくさん移り住んで下さるごとに、福岡は福岡として、太宰府としての輝きを増すのかも知れません。京都の方も同様に、伝統芸能保持者は、他県からの流入者が多いそうです。宮内庁の楽部も、雅楽を受け継ぎたいという後継者が育たぬため、一般からの公募を始めました。大切な子供達を地域社会で育てたいものですね。 そろそろ夏祭りシーズンです。 7月16日(月)17時30分〜、福岡市西区の愛宕神社さんで、7月21日(土)18時〜二丈町の白山神社さんで雅楽を演奏させていただきます。無料ですので、お時間のある方はぜひお越し下さいませ。 今年3月生まれの娘は、7月で4ヶ月になりました。この子が近所の子供達と一緒に、夏祭りなどで堂々と雅楽をしている姿を早く見たいものです。親から子へと技が受け継がれるのも雅楽のひとつの魅力。先が楽しみです。
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